二世帯住宅と間取り

二世帯住宅を新築するなら、家族それぞれのライフスタイルを尊重できる間取りを実現しましょう。ライフスタイルは仕事の勤務時間や、個人的な起床時刻が大きく関係しています。生活サイクルの違いと読んでも良いでしょう。注文住宅は工務店が家族の意見を反映させながら、一戸建ての間取りを設計してくれます。二世帯住宅で気をつけたいのが、高齢者世代の両親と、子供夫婦世代の食事時間が違う場合の対処法です。早朝と深夜の生活サイクルは、お互いに異なるとストレスの原因になります。お互いに意識しないで済むように、キッチンと玄関を別々に利用できるようにする間取りもできます。リビングルームとダイニングは共同でも、キッチンそのものを別々に施工してあると、一見して無駄なように感じられるかもしれませんが、それぞれの得意分野を活かすことで有意義な間取りにできます。食料品のストックを担当するキッチンと、食料品を調理するキッチンと、主な機能を振り分けておく方法です。時間に余裕のある両親のキッチンでは、料理の作り置きや保存食を調理できるようにしておき、冷蔵庫も保存食を多めに確保しておきます。子供夫婦のキッチンでは、常に最新の食料や調味料を揃えておき、基本的には誰でも利用できるように整えておきます。電化製品の配置にも工夫すると良いでしょう。豊富に取り揃えてある調理道具は、適宜に分散させておくのも良い方法です。二世帯同居は、お互いに独立した間取りを構成させながらも、それぞれに独自の役割分担ができるようにしておきましょう。役割分担を意識できると、同じに見える間取りでも違う働きができるようになりますので、無駄に感じずに済みます。玄関が二つの間取りは意外に感じるかもしれませんが、一戸建てに施工されている勝手口を活用すれば違和感なく施工できます。勝手口として機能するスペースを、玄関としても機能できるように設計するからです。勝手口としての機能を果たせる玄関には、シュークロークの要素を備えると良いでしょう。同じ要素が二箇所あると、無駄なのではと感じやすくなりますが、それぞれに独自性を持たせて、親世帯と子供夫婦世帯とで得意とする分野を担当できるように役割分担すれば、家事がスムーズになり、二世帯住宅にして良かったと実感できる住まいになります。注文住宅で新築するときこそ、家族それぞれの意見を話し合えるチャンスです。工務店をまじえて、意見交換をしながら間取りを設計してもらいましょう。